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活動実績

「AI時代における適正なパーソナルデータ活用の在り方検討会」報告書の公表

AIガバナンス協会が発起人の一つとして立ち上げ、企画・運営に深く関与してきた「AI時代における適正なパーソナルデータ活用の在り方検討会」の報告書が一般社団法人データ社会推進協議会(DSA)から公表されました。

公表した報告書の全体版はこちらからご覧いただけます。

検討会の概要

デジタル技術の急速な進展に伴いデータ利活用への需要が高まる一方、個人情報の不適切な取扱いによる権利利益侵害リスクも増大しています。こうした状況を踏まえ、2026年4月に閣議決定された「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律案」では、統計情報等の作成を目的とする場合に本人同意を不要とする特例(以下「統計作成等特例」)が新たに盛り込まれました。

AIの開発・活用を社会に資する形で促進するには、多様な主体が保有するデータを適切に連携・活用できる環境の整備が不可欠です。本検討会では、こうした問題意識のもと、AI開発やデータ連携を伴う実務上のユースケースを想定し、事業者と生活者の双方の視点から、生じ得るリスクと対応策について検討を行いました。2025年5月のキックオフから2026年5月の活動報告会まで約1年間にわたり計9回の会合を重ね、法律・技術・ガバナンス等各領域の専門家、データ利活用に取り組む事業者、消費者団体等、多様なステークホルダーが参画しました。個人情報保護委員会事務局にもオブザーバーとしてご参画いただいております。

AIGAは発起人としての活動に加え、「広告配信エンジン(AI)最適化のための個人データ突合」のケース検討を担当し、想定されるリスク、必要な公表事項、提供元・提供先間のガバナンス、技術的・組織的な安全管理措置等について整理を行いました。

【検討会の発起人】

  • 一般社団法人 AIガバナンス協会(AIGA)
  • 一般財団法人 情報法制研究所(JILIS)
  • 一般社団法人 データ社会推進協議会(DSA)
  • プライバシーテック協会
  • 板倉 陽一郎(弁護士)
  • 坂下 哲也
  • 宍戸 常寿(東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
  • 柴山 吉報(弁護士)

※団体・個人順、辞書順

報告書の主なポイント

報告書では、統計作成等特例の適用が想定される代表的な4つのユースケースの横断的な検討を通じて、以下の重要な知見・提言が示されています。

まず、各ケースの検討にあたっては、「何が起きるとまずいのか」というリスクシナリオを出発点とし、データのライフサイクルの各プロセスにおけるリスクと対策を分析するアプローチが有効であることが確認されました。

また、本人同意を必要としない新たな規律であるからこそ、「誰が持っているか」ではなく「データがどう処理されるか」という行為全体を規律するモデルへの転換が必要であり、法的に要請される範囲を超えた説明、PIA(プライバシー影響評価)の実施、PETs(プライバシー強化技術)の活用、第三者機関による監査・認証などのガバナンス体制の構築が不可欠であることが提言されています。

さらに、AI開発と「統計情報等の作成」の関係について、一般的にAI開発は統計作成等に該当し得るものの、意図的な過学習等により特定の個人情報を高頻度で出力するモデルの開発は該当しない可能性があるなど、実務上の判断基準の方向性が示されました。

今後の展望

改正法の施行に向けては、個人情報保護委員会規則やガイドライン等の策定が予定されており、統計作成等特例が社会の信頼のもとで適切に運用されるためには、アジャイル・ガバナンスの考え方に基づく段階的な規律の整備と、事業者による自主的かつ実効性のあるガバナンス体制の構築が不可欠です。AIGAは、本検討会での知見を活かし、引き続き具体的なユースケースに基づく検討を継続するとともに、データ利活用における適切なガバナンス体制の確立に向けて積極的に関与してまいります。